火華

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明用

私が恨んでいるのは私ではありません。その代わりに私以外の全てを恨みます。神を恨みます。両親を恨みます。今まで出会った人々を恨みます。決して自分自身には向けられないその恨みを持ち続けるのは楽とは言えませんが、宗教が必要とされるように私にそうであることが必要とされるのです。私はあくまで私で私が考えていることに関して誰も口やかましくとやかくいう権利はないはずです。だから仕方がありません。そうであるように私は産まれたのですから。率直に産まれたくはなかったのですがそれも仕方がないことです。人間はセックスが好きでたまらないのだから、繁殖し続けるようにお造りになったのですから、私の父と母はセックスをしなければなりません。わたしを孕まなければなりません。ですから自分はこうして産まれてしまいました。

 

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ベタな話だとは思いますが、初めて私がいじめられたのは小学校五年生の頃です。いじめのせいでこんな歪んだ人間になったんだよ。わたしのせいじゃない。とても可哀想でしょう。等の話をするつもりではありませんが、ただ思い出してしまうのです。だってこれがわたしの有りっ丈の誇りですから。

 

私は無口で口下手で、誰かから何か言われるのはあっても言葉を返すのはできませんでした。それが自分にとっては凄く苦痛でして、勿論当時は自分ばかり恨みましたので顔色は真っ白でとうとう誰も口を聞こうとしません。それはそれでいいのですが、「私は変わらなければならない」という呪いにかけられていましたから、友達を作るには自分がまず話しかけることが大事だととか、そもそも友達を作る必要があったのです。と思うばかりでしたから、こんな私が話しかけるところで喜ぶ変人はまずいないので、瞬くの間いじめられる始末になりました。それでも世間は恨めません。自分は変わりたいのですからむしろ敬畏すべき対象にと思えるのです。